2010年06月05日
川俣晶の縁側過去形 本の虫ネギま!を読む total 3622 count

30巻・よくやく分かってきたパワーダウンの正体

Written By: 川俣 晶連絡先

 個人的な感想を言えば、ネギま!は29巻が最高だと思います。

 問題は、30巻になってパワーダウンしていると感じることの正体です。

 何回も30巻を読んでいるうちに、おおむねその正体が見えてきました。

 巻末も膨大な文字のうんちくが消えた?

 いえ、それなら29巻でも既に消えています。

 物足りない理由は以下の2点です。

  • 無理に下着を見せる不自然なポーズが多い (表現上の問題)
  • 活躍させるキャラが多すぎて印象が散漫になる (構成上の問題)

表現上の問題 §

 29巻でも下着が見えないわけではありませんが、逃走して服が破れて転んで意図せずして見えてしまう、といった流れになりますが、30巻では明らかに無理のあるポーズで体が不自然に曲がっているポーズが多くあります。

構成上の問題 §

 29巻は全体の登場人物は多いものの、話の焦点となる人物は絞り込まれていて、クルトが呼ぶ時に一緒に行く女の子も3人きりです。

実は…… §

 実は、この2つの特徴は心当たりがあります。つまり、「萌え作品」の定番の表現であり、構成です。

 不自然なポーズで顔とスカートの中を同時に見せるのは昔からよくあること。

 登場人物が多すぎて印象が散漫になるのも、ハーレム型の定番です。たとえば、ゲームでは「攻略可能な女の子」が多い方が良いので人数を増やしますが、個々のシナリオの登場人物が増えるわけではありません。しかし、これをアニメ化するとすべてのキャラをそれなりに出そうとして、登場人物が増えて分かりにくくなります。

結論 §

 このまま露骨に萌え漫画の路線になるなら、個人的には期待するものとちょっと違うかな、と思います。まあ、萌え漫画は読まないので。(萌えアニメも見ないし)

 それはさておき、お客様は神様だから、赤松先生がオタクこそお客様と考えてそういう路線を取るのであれば、特に言うことはありません。それはそれで判断です。

UQ HOLDER